データ復旧事例

姫路駅前受付店持込データ復旧事例｜HDD交換後アクセス不可のTeraStation TS-5410DNから重要データの復旧に成功（建築士事務所）

投稿日：2025.09.09 更新日：2025.09.09

メーカー：Buffalo(バッファロー)製
型番：TeraStation TS5410DN1604　容量：4TB×4台
症状：アクセスできない
障害：複合障害
期間：5日

姫路市 TS5410DN1604 データ復旧事例：お客様より

姫路市内で建築士事務所を営む法人様より「地元業者にHDD交換を依頼した後、NASが全くアクセスできなくなり、設計業務に必要なCADデータが取り出せない」との緊急連絡が入りました。使用されていたのはBuffalo製 TeraStation TS-5410DN（4TB×4台／RAID5構成）で、日々の設計案件や申請用資料がすべてここに保存されていました。お客様は「最重要データをできるだけ早く取り出してほしい」と強く希望され、交換前後のHDDすべてを姫路駅前受付店に持ち込み、神戸三宮ラボに移送されました。

姫路市 TS5410DN1604 データ復旧事例：診断結果

神戸三宮ラボにて専用機器を使用し4台のHDDを詳細に診断したところ、複数の問題が同時に発生していることが判明しました。交換後のHDDの1台にはデータがほとんど記録されておらず、RAID再構築が完了していなかった可能性が高いことが分かりました。また、交換したHDDには不良セクタが多数発生しており、さらにリビルド中のアクセス負荷が原因で別の既存HDDも故障していたことが確認されました。複数の要因が重なった複合障害であることが明らかになりました。この段階でRAID情報は完全に崩壊しており、通常の手順ではデータ復旧が不可能な状態であることが分かりましたが、専用機器と高度な解析を用いることで復旧できる見込みがあると判断しました。

姫路市 TS5410DN1604 データ復旧事例：復旧作業実施

まず不良セクタが発生していた2台のHDDに対し、データ復旧専用機器を使用してセクタ単位でのクローン作成を行いました。クローン作成の際には磁気ヘッドの動作を細かく制御し、HDDへの負荷を最小限に抑えながら慎重に作業を進めました。クローンディスク2台と既存のHDD2台を専用機器に接続しRAID解析を実施しました。複雑な作業でしたがRAID5のストライプサイズやディスク順序などの情報を詳細に特定して仮想的にRAIDを再構築する事に成功。仮想RAIDが正しく構築できた段階でデータ領域へ直接アクセスし、業務に必要なCADデータを含むフォルダから優先的にデータを確保しました。

姫路市 TS5410DN1604 データ復旧事例：復旧作業の結果

総容量8TB強のデータを解析し、復旧したデータは神戸三宮ラボにお客様の事務所からリモート接続を行って頂き、その場で実際にCADデータや図面ファイルを開いて確認していただきました。お客様は最重要データを含め、すべてのファイルが問題なく開けることを確認され、復旧が成功したことに大きな安堵の表情を見せられました。復旧したデータは外付けHDDに保存し、郵送にて納品を行いました。お客様からは「業務再開に間に合い、本当に助かった」と感謝の言葉をいただきました。

姫路市 TS5410DN1604 データ復旧事例：技術者から

今回のようにHDD障害が複数台で同時に発生し、さらにリビルド中のアクセス負荷や交換手順の不備が重なることで複合障害が発生すると、データ復旧は非常に難易度が高くなります。特にRAID構成のNASでは障害発生時に自己判断でHDD交換や再構築を行うことが障害を深刻化させる原因となることが多いため、トラブルが発生した時点で専門業者に相談し、正しい手順で復旧を進めることが非常に重要です。

姫路市 TS5410DN1604 データ復旧事例：まとめ

姫路市の建築士事務所様が使用していたBuffalo製TeraStation TS-5410DNは、HDD交換後にアクセス不可となり、複数の障害が重なった複合障害の状態でした。姫路駅前受付店にお持ち込み頂き神戸三宮ラボへ移送後、データ復旧専用機器を使用したクローン作成と仮想RAID再構築を行い、総容量8TB強のデータを復旧することに成功しました。リモートでの確認により必要なCADデータを含むすべてのファイルが正常に開けることを確認いただき、復旧データは外付けHDDに保存し郵送にて納品され、業務再開に間に合わせることができました。