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リビルド失敗!サーバーやNASでディスク交換が終わらない場合の対処方法【RAID再構築】

2024.03.08

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『NASのディスクが1本故障し、ディスク交換をおこなったが失敗、データにアクセスできなくなった。』

というご相談はNASのご相談の中でも上位に入る症状です。

 

NASのディスク交換はデータを消失するリスクの高い作業であり、

安易におこなうと取り返しのつかないケースに陥る可能性もあります。

 

NASディスク交換に失敗した際にどうすればいいのか?

データ復旧する方法はあるのか?

などを当記事でまとめます。

 

 

 

 

 

【リビルド失敗】RAIDとは?

RAIDとは、複数のディスクを組み合わせ、単一のディスクとして認識させる技術です。

RAIDにはいくつも種類がありますが、

中でもRAID1やRAID5などは1本のディスクが損傷した際に、

残りのディスクでデータへのアクセスを可能(冗長化)をにしていることが特徴です。

この時、壊れたディスクを交換し、元の安全な状態を復元するためリビルド作業(RAIDの再構築)をおこないます。

 

 

 

【リビルド失敗】RAID再構築とは?

 

RAID1やRAID5では1本のディスクに故障が発生した場合においても

残りのディスクでデータへのアクセスが可能です。

故障したHDDは新しいHDDへ交換し、

残りのディスクから故障したディスクの内容を書き戻します。

これをRAIDの再構築(リビルド)といいます。

リビルドに成功すると、ディスク故障前の元の安全な状態に戻すことができます。

 

 

【リビルド失敗】NASディスク交換失敗の症状例

 

・リビルド作業中にもう1本ディスクが故障する

短期間に連続してHDDが壊れるというようなことがあるのか?と不思議に感じるかもしれませんが、

実はこの症状、かなり多いです。

1本目が故障した段階で冗長化が失われていますので、

2本目が故障した段階でデータへのアクセスができなくなってしまいます。

 

・リビルド作業が長時間終わらない

リビルド作業に必要な時間はRAIDの構成やNAS側のスペックなどによって大きく変わります。

例えば1TBのHDDをリビルドする場合、5時間程度で終わるケースもあれば、

丸1日必要なケースもあります。

BuffaloのTeraStationやIO-DATAのLANDISK、QNAPなどでは

管理画面上で進捗状況が確認できます。

もし、長時間進捗%が進まない場合はリビルドが停止している可能性があります。

 

・RAID0やJBODでディスク交換しようとしている

実際に構築されたRAID構成は、覚えているようで忘れてしまうケースも多く、

RAID1とのご申告で実際はRAID0だったというケースは多々あります。

RAID構成がRAID0やJBODの場合では、

データへのアクセス自体もできなくなります。

こういった状況でディスク交換をおこなってもRAIDが崩壊するのみで

データ復旧することはできません。

 

・リビルドが完了したと思ったらデータが消えた(データにアクセスできない)

リビルド完了後、これまで同様データへアクセスしようとするとアクセス不可、

ネットワークドライブにすらアクセスできない状況になることがあります。

 

 

【リビルド失敗】NASディスク交換失敗の原因

 

リビルド作業は長時間に渡り各ディスクへ高負荷をかけ続ける作業になります。

NASのHDDは複数本あったとしても同一時期、同一ロットで購入、使用頻度も同等ですので、

長期間使用し、1本目が故障した時期には他のHDDも故障寸前になっています。

 

ここへリビルドという非常に高負荷な作業が発生すると、

耐えきれず2本目が故障することになります。

個人的には『リビルドは一か八かのギャンブル』ぐらいにお考え頂くのが良いと思っています。

 

故障ではなくとも、一部読み込み不良(バッドセクタ)が発生している可能性もあります。

この場合は、リビルド作業が途中でストップし、長時間進まない状況が続きます。

 

HDDは消耗品であり、購入直後であっても故障リスクがあります。

使用年数とともに故障率は高まり、5年経過時点では半分程度のHDDが故障するともいわれています。

したがってリビルド時に別のHDDが故障することは、決して不思議なことでは無いのです。

 

ただ、残念なことにHDD故障時にメーカーへ相談すると

リビルド作業を勧められることが多く、

言われるままリビルド作業をおこない更なる故障が発生するというのは

なんともやるせない話です。

 

 

【リビルド失敗】を防ぐ方法

 

NASのディスク交換失敗(リビルド失敗)の対策は

何が無くてもまずはバックアップです。

データへのアクセスが可能な状態であるならば、

重要データから順番に外付けハードディスクなどへデータをバックアップし、

データを失うという最悪の事態を防ぎましょう。

 

何度も言いますがリビルドは本当にリスクが高いです。

安易な気持ちでおこなわず、まずはバックアップを強くお勧めいたします。

 

また、リビルド中はデータへのアクセスをおこなわないでください。

リビルドの負荷に加え、さらにアクセスが発生することにより故障率が高まります。

 

リビルドが完了するまではNASの利用自体を停止して頂きたいのですが、

難しい場合は必要データをローカルPCへダウンロードし、

ローカルPC上で編集をおこなってください。

 

 

【リビルド失敗】によりアクセスできなくなったデータの復旧

 

・バックアップから戻す

リビルド作業に失敗した場合、複数台のHDDが故障したようなケースでは、

NAS自体の寿命が疑われます。

できればNAS自体を新しいものに交換し、

バックアップデータからデータを復旧してください。

 

・各PCに残存するデータを探す

ただ、バックアップデータが必ずあるとも限りません。

その場合、NAS自体を探すよりも他に保存先が無いかを探すことが効果的なこともあります。

各個人のPCや取引先に送付したデータ、一時的に保存したクラウドのデータなど

意外と重要データが揃ったというケースをお聞きします。

 

・フリーソフトを試す(注意!)

壊れたNASにしかデータが無い場合、

市販のソフトなどを試すことが可能です。

ただ、この段階まで来るとまったくお勧めしません

 

RAIDが組まれたNASのデータ復旧は専門知識が必要なケースが多くあります。

保全環境の構築やクローンディスクの作成など、

一般の方では難しい作業が発生します。

万が一手順や手法に失敗した場合に取り返しがつかなく可能性があり、

重要データが含まれている場合ほどフリーソフトを利用しての復旧はお勧めいたしません。

 

リビルドに失敗しているということは、

複数台のディスクが物理的に損傷している可能性が高く、

その場合は市販ソフトを使用してのデータ復旧は失敗します

 

フリーソフトや市販ソフトをお試しになるのは、

成否よりも費用を抑えることが重要な場合や、

クローンディスクの作成やRAIDの構築情報など

ご自身に相応の知識をお持ちの場合に限るかと思います。

安易に使えるものでは無いとご注意ください。

 

・安全にデータ復旧したいならデータ復旧業者へ依頼する

安全に、より確実にデータを取り出すためにはやはりデータ復旧業者へ依頼するのが確実です。

特にRAID機器についてはデータ復旧専門業者のノウハウが詰まった部分です。

できれば復旧事例が豊富な業者をお選びになるのが良いかと思います。

 

 


【リビルド失敗】からのデータ復旧事例


リビルド失敗からのデータ復旧事例①

メーカー:DELL

型番:PowerEdge T320

お客様からの症状:リビルド中にもう1本故障し認識しなくなった

障害:物理障害

期間:3日

 

症状

リビルド作業中に2本目のディスクが損傷し認識しなくなった。

再起動するもディスクエラーで認識しない。

 

診断作業

PowerEdge T320よりHDDのみを抜き出し、故障HDDの磁気ヘッド交換作業などをおこない、

欠損していたHDDのクローンディスクを作成いたしました。

完了後、すべての複製ディスクよりRAIDの解析作業をおこない、

アクセスできなくなっていたデータの取り出し作業をおこないました。

復旧率99%以上にて無事復旧に成功いたしました。

 

担当者より

今回、会社の基幹システムが入ったサーバー機とのことで、

データの喪失は会社の存続にかかわるとのこと。

無事復旧できて私もホッといたしました。

 

 


リビルド失敗からのデータ復旧事例②

メーカー:BUFFALO

型番:TeraStation TS5410DN

お客様からの症状:リビルド作業が終わらない

障害:物理障害

期間:2日

 

症状

RAID5で構成された4本のディスクの内、1本が故障したため、

ディスク交換をおこない、リビルドを開始したが丸2日たっても完了せず、

仕方なく電源を強制シャットダウンし再起動したところ起動できなくなった。

 

診断作業

TeraStation TS5410DNは当社でもご相談の多い機種です。

ディスク診断の結果、元の1本のディスクは重度物理障害が発生、

残り3本のディスクからリビルド作業をおこなっていましたが、

軽度な障害があり、リビルド作業がストップしていたようです。

 

復旧作業

軽度な障害が発生したディスクのクローンを専用機材で作成し、

残りのディスクとでRAID解析をおこなったところ、無事データへのアクセスに成功しました。

お急ぎとのことでしたので夜間休日作業プランにて2日後に納品致しました。

 

担当者より

ファイルサーバーとしてお使いのNASですが、

リビルドが終わらず、やむなく再起動したところ起動できなくなったとのことで、

かなり冷や汗をかかれたとのこと、

業務がストップしているとのことで特急作業にて対応いたしました。

 

 

【リビルド失敗】などご相談の多いサーバーやNAS機器

 

当社では様々なメーカー、ブランドのトラブルについて、

ご相談を頂戴しております。

その代表的な機種は下記の通りになります。

 

・Dell EMC PowerEdge

・HPE ProLiant

・NEC Express Server

・Fujitsu PRIMERGY

・Lenovo ThinkSystem

・Buffalo Terastation

・Buffalo LinkStation

・IO-DATA LANDISK

・QNAP

・Synology DiskStation

・Netgear ReadyNAS

・Asustor DRIVESTOR

・Thecus

・TerraMaster

・Drobo

 

その他、ラックタイプのNASなどにも対応しております。

 

 

NASのリビルド再構築は危険と隣り合わせです。

リビルド前の方はとにかくバックアップを、

リビルドに失敗した方は無理せずデータ復旧クイックマンへご相談ください。

 

 

パソコン、ハードディスク、NAS、サーバー、RAID機器などの故障やトラブルの際には是非クックマンにご相談ください。

 

株式会社クイックマン フリーダイヤル:0120-775-200

 

データ復旧 クイックマンへのお問い合わせはフリーダイヤル 0120-775-200まで。

 

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