データ復旧事例

異音が発生しているポータブルハードディスク(HDTC610JK3A1)からのデータ復旧(重度物理障害　徳島県三好市　飲食業)

投稿日：2023.08.22 更新日：2023.08.22

メーカー：東芝製(内蔵：東芝製)
型番：HDTC610JK3A1(内蔵：MQ01ABD100)
症状：異音が聞こえる
障害：重度物理障害
費用：99,800円 (税込109,780円)～
期間：4日程度

※オプション料金別

お客様より

お店の業務用の管理データと趣味で撮りためた写真のデータを保存していました。週末に撮影してきた写真のデータを〇に保存しようとしてパソコンに繋いだのですが、全く反応がありません。15年ほど前から先月くらいまでに撮影してきた写真のデータやエクセルなどが非常に重要です。データの復旧をお願いします。

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診断の結果

データ復旧専用機器にてハードディスクの通電確認を行ったところ、通電を行てほどなくしてジーッジーッという異音の発生を確認しました。可能性のところで行くと、モーターロックを発生させてしまっている可能性が高いと判断しました。開封作業が必須の作業となるため、重度物理障害での対応を行うことにしました。

復旧作業にチャレンジです

ハードディスクを開封したところ、データの読み書きを行うヘッド部分がディスク上にて固着する、モーターロック状態を発生させていることを確認しました。ロック状態の強制解除を行って起動確認を行ってみましたが、ヘッドが破損している状態であったため交換を行い、改めてデータ復旧専用機器での起動確認を開始しました。その結果、正常起動が確認でき、制御情報へのアクセスも問題なく行えたため、クローン作業を開始しました。作業を開始してから40%ほどの領域を取得できたところでヘッド破損が発生してしまったため、再度交換作業を行い、クローン作業を再開しました。作業の結果、全体領域の99.9%以上の領域取得に成功しました。作成したクローンディスクからデータ領域内へのアクセスを行ってみると、フォルダやファイルの存在が確認できたため、データの一時取得を行いました。一時取得できた写真データを50枚ピックアップしてオープン確認を行ってみたところ、50枚の写真のうち、48枚が正常に開けることを確認できました。一時取得できたデータのリストと写真データの一部をサムネイル化し、お客様へ確認を行っていただくことにしました。

復旧作業の結果

お客様へデータリストとサムネイルデータをお送りし、作業の結果をお伝えしました。クローン作業の結果から一部ファイル破損が発生していることをご理解いただいたうえで復旧成功と判断をいただけたため、一時取得データを復旧データとしてお渡ししました。

担当技術者より

モーターロックは、ディスク上にデータの読み書きを行うヘッド部分が固着して発生する現象です。くっついたものは剥がせばよいというものではあるのですが、ヘッドの先端あたりに磁気を帯びたチップがあり、実際はこのチップがデータの読み書きを行い、モーターロックが発生した場合は、このチップがディスク上に固着しています。ロック状態の強制解除は、固着状態のままディスク上をヘッドが動くため、傷が入るというリスクが必然的に発生し、傷の場所によっては復旧不可と判断しなければならない場合もあります。また、ヘッド自体も破損し、交換を必要とすることもあります。モーターロック現象自体は発生率の低い重度物理障害ですが、発生すると作業を行わないと復旧可否の判断が難しい障害であることをご理解いただければと思います。