データ復旧事例

【Synology DS223データ復旧事例】突然起動しない!ビープ音・赤ランプでアクセス不可から特急対応で成功

投稿日:2026.04.21 更新日:2026.04.21
障害が発生しアクセスできないSynology製NAS DS223

「昨日まで普通に使えていたSynologyのNAS(DS223)から突然ピーピーと警告音が鳴り、共有フォルダに全くアクセスできなくなった…」

Synology製のNASは、直感的な操作性と高い信頼性で法人・個人問わず非常に人気がありますが、内部に搭載されているハードディスク(HDD)は消耗品であり、ある日突然クラッシュしてしまうことがあります。今回は、実際に「エラー音とともにアクセス不能に陥ったSynology DS223」から、クリーンルームでの重度物理障害向けの処置を含めた高度な技術で重要な業務データを安全に救出した復旧事例をご紹介します。

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お客様からの問い合わせ内容:3日後の納期に間に合わせたい

デザイン事務所を営む法人様より、大変切羽詰まった緊急のご相談をいただきました。

【ご相談内容】
「今朝出社したら、NAS(Synology DS223)からけたたましいビープ音が鳴っていて、ランプが赤色(オレンジ色)に点滅していました。パソコンから共有フォルダを開こうとしてもエラーになり、一切データが見られません。3日後にクライアントへ提出する重要なIllustratorのデータが入っており、なんとか期日までに取り出してほしいです」

対象機器は2ベイモデルの「Synology DS223」。内部には2TBのHDDが2台搭載されており、RAID 1(ミラーリング)で運用されていました。

 

診断実施:通電ストップと緊急診断

お客様には「これ以上の通電は致命的なデータ消失を招く恐れがある」とお伝えし、すぐさま当社の診断店へ機器をお預けいただきました。

まずNAS本体からHDDを取り出し、データ復旧専用の高度解析装置(PC-3000)に接続。どちらのHDDに最新のデータが残っているか、そして物理的な破損がどの程度進行しているか、セクタ単位での精密な初期診断を実施しました。

 

Synology製NASのエラー発生時の特長

Synology製のNAS(DiskStationシリーズ)は、異常を検知するとLEDランプや音でユーザーにSOSを発します。代表的なサインは以下の通りです。

  • STATUSランプが赤(オレンジ)色に点滅: ボリュームの劣化(RAID崩壊)や、DSM(OS)の不具合を示唆。
  • ピーピーという連続したビープ音: HDDの故障やファンの停止など、システムが正常に稼働できない深刻な状態。

このようなサインが出た際、最も危険なのは「再起動を繰り返す」「HDDを適当に抜き差ししてリビルドを試みる」ことです。不完全な修復作業は、データを完全に破壊する原因となります。

 

※Synology NASのエラー原因や、詳しいトラブル対処法については以下のページで詳しく解説しています。
【解決】SynologyのNASにアクセスできない・起動しない時のデータ復旧

 

診断結果:2台同時の物理クラッシュ(RAID崩壊)

解析の結果、以下の深刻な状態であることが判明しました。

  • HDD 1台目: 重度物理障害(磁気ヘッド破損による読み取り不能)
  • HDD 2台目: 中度物理障害(大量の不良セクタ発生によるI/Oエラー)

RAID 1(ミラーリング)は本来1台が壊れてもデータは維持されますが、今回は1台目の故障に気づかず「片肺運転」で運用を続けた結果、負荷がかかった2台目もダウンし、2台同時にクラッシュ(RAID崩壊)してしまった状態でした。
どちらのディスクのファイルシステムが最新の情報を保持しているか不透明であり、またお客様が「3日後」という明確な期限を抱えておられたため、万全を期して「2台同時の特急対応」で復旧作業を行うこととしました。

 

復旧作業開始:クリーンブースでの処置と専用機器でのクローン

まず、重度物理障害を起こしている1台目のHDDをチリ一つないクリーンブース内で開封し、破損したヘッドパーツを正常なドナー部品へ移植する精密作業を行いました。
その後、2台のHDDをそれぞれ専用設備(PC-3000)へ接続し、電気信号レベルでHDDの挙動を制御します。不良セクタによるエラー箇所に極力負荷をかけないよう、読み取り速度や方向を細かくチューニングしながら、安全な領域から優先的にデータを転写(クローン作成)していきました。

 

復旧作業完了とデータ確認:3日目の朝に無事ご納品

ヘッド交換と慎重な読み取り作業に時間を要しましたが、お預かりから約2日(48時間)で、両方のHDDから全体領域の99.9%のデータをクローン化することに成功しました。
その後、仮想環境上でSynology特有のファイルシステム(Btrfs)とRAID構造を解析・再構築し、データツリーの復元を完了させました。

復元されたデータをお客様にご確認いただいたところ、提出直前のIllustratorファイルを含む数万件の業務データが、欠損なく元のフォルダ構成のまま残っていることが確認できました。無事に外付けHDDへデータを移行し、ご相談から3日目の朝にご納品いたしました。無事に期日にも間に合うとのことで、我々エンジニアも胸を撫で下ろしました。

 

技術者より

Synology DS223のような最新機種でも、「片肺運転からの同時クラッシュ」は非常に多く発生します。「最近動作が重い」「変な音がした」といった前兆があった場合は、すぐにバックアップを確認してください。もし今回のようにアクセスできなくなった場合は、絶対にHDDの順番を入れ替えたりせず、そのままの状態でお電話ください。専門の設備と技術で、最短でデータを救い出します。

 

当社で復旧した、その他Synology NASの事例

 

まとめ

今回は、ビープ音が鳴りアクセスできなくなったSynology DS223の復旧事例をご紹介しました。
「OSは起動しているがフォルダが開けない」「ランプが赤(オレンジ)に点滅している」といった症状は、内蔵ハードディスクの深刻な物理障害(故障)が原因であることがほとんどです。

「大切な仕事のデータが入っている」「提出期限が迫っている」といった場合は、自己判断での復旧作業(リビルドや再起動)はデータ完全消失のリスクが高いため厳禁です。少しでも不安を感じたら、まずはデータ復旧クイックマンの「無料初期診断」をご利用ください。

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FAQ:Synology DS223のトラブルに関するよくある質問

Q. ビープ音が鳴り止みません。すぐに電源を切っても大丈夫ですか?

A. はい、速やかに電源を切ってください。ビープ音はシステムやHDDの致命的なエラーを知らせるSOSです。通電を続けるほどHDDの物理的な傷(スクラッチ)が悪化し、復旧できなくなる恐れがあります。

Q. HDDを1台交換してリビルド(再構築)すれば直りますか?

A. 残っているHDDに「不良セクタ」がある場合、リビルド作業の負荷で2台目も完全にクラッシュし、データが消滅する事故が多発しています。データが必要な場合は、リビルドを試す前にプロの診断を受けることを強くお勧めします。

Q. STATUSランプが赤色(オレンジ色)に点滅しています。データは無事ですか?

A. STATUSランプの点滅はシステムエラー(RAIDの崩壊やOSの異常)を示しています。HDD自体が物理的に故障し始めている可能性が高いため、無理にアクセスを続けるとデータが完全に壊れる危険があります。この時点であれば、専門機材による復旧確率は非常に高いです。

Q. NASからHDDを取り出して、直接パソコンに繋げばデータは見られますか?

A. 絶対にやってはいけません。SynologyのNASはWindowsとは異なるファイルシステム(Btrfsやext4)とRAID構造を採用しているため、直接Windowsパソコンに繋いでもデータは読めません。最悪の場合、パソコン側から「フォーマットしますか?」と聞かれ、誤ってデータを全て消去してしまう事故が多発しています。

Q. 納期が迫っています。特急でデータを取り出してもらうことは可能ですか?

A. はい、可能です。障害の重症度によりますが、クイックマンでは専用機材とエンジニアのリソースを集中させる特急対応オプションをご用意しております。今回のように物理障害が併発している場合でも、2〜3日以内で納品可能なケースがございます。

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