データ復旧事例

神戸市長田区データ復旧｜突然使えなくなったQNAP製NAS TS-231PからCADデータの復旧に成功

投稿日：2025.12.05 更新日：2025.12.05

メーカー：QNAP製
型番：TS-231P
容量：2TB HDD×2台
症状：NASが突然使えなくなり共有フォルダにアクセス不可
障害：物理障害
期間：3日

お問合せ内容：NASが突然使えなくなりCADデータにアクセスできない

神戸市長田区苅藻エリアの製造業様より、「社内で使っているNASが突然使えなくなり、図面やCADデータに一切アクセスできない」とのご相談をいただきました。機種はQNAP TS-231Pで、2TB HDD×2台のRAID1構成として、設計用のCADデータや製造条件書、検査成績書などを共有保存されていました。前日までは通常通り使えていたものの、朝出社してPCを立ち上げると、ネットワークドライブのアイコンに赤いバツ印が付き、フォルダを開こうとするとエラーが表示される状態だったとのことです。導入以来、HDD交換やファームアップなどのメンテナンスは一切行っておらず、「図面が見られないと今日の製造が止まってしまうので、何とかしてほしい」と切迫した状況でのお問い合わせでした。

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診断結果：2台のHDDに不良セクタが点在する物理障害

お預かりしたQNAP TS-231Pの前面のトレイから2本の2TB HDDを慎重に取り外しました。それぞれをデータ復旧専用機器に個別接続し、セクタ単位の読み取り状態を確認したところ、2台ともに不良セクタが点在し、一部領域で読み取りが非常に不安定になっていることが分かりました。ただし、重度のヘッド損傷やモータ不良は見られず、クリーン環境での分解までは必要ないレベルの物理障害と判断しました。しかしこのままの状態でRAIDの再構築などを行う事は出来ない為、2台ともクローンを作成したうえで、安全な環境でデータ抽出を行う方針をご説明しました。

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復旧作業実施：2本ともクローン作成し最新側クローンから解析

まずは2本のHDDそれぞれについて、データ復旧専用機器で負荷を調整しながら、セクタ単位で精密なクローンディスクの作成を行いました。読み取りに時間がかかる領域ではリトライ条件を調整しつつ、ヘッドにかかる負荷を抑えながら可能な限りデータを取得しました。2本分のクローンが完成した段階で、各クローンディスクの解析を実施。データを比較し、フォルダやファイルの更新日時などから、より新しいデータを保持しているクローンを特定しました。最新データが保存されているクローンから、共有フォルダ配下のCADデータや図面フォルダを優先して抽出していきました。

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復旧作業の結果：CADデータを含む約1.2TBを3日で復旧し納品

最新側クローンからボリュームを仮復旧した結果、CADデータや図面フォルダ、製造条件書、検査関連の帳票データなど、業務で使用されている共有データをほぼそのままの構成で復旧することができました。特に直近の図面や流動中の案件フォルダについては優先して確認を行い、欠損ファイルがないかどうかを細かくチェックしました。最終的に、合計約1.2TB分のデータを外付けHDDにコピーし、お預かりから3日で納品しています。納品時にはお客様にご来店いただき、実際にCADソフトから図面ファイルを開いて表示や編集が問題なく行えることを一緒に確認しました。「今日の生産分の図面も全てそろっていて助かった」とのことで、安堵されたご様子でした。

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技術者より：NASの突然死は再初期化よりまず電源OFFを

今回のように、NASが突然見えなくなった場合、管理画面にアクセスできても自己診断機能の「初期化」や「RAID再構築」を安易に実行してしまうのは非常に危険です。特に、長期間メンテナンスされていないHDDは経年劣化が進んでおり、再構築中の負荷で一気に障害が重くなることがあります。RAID1は冗長性を高める仕組みですが、バックアップの代わりにはなりません。違和感を覚えた時点でNASの電源を切り、HDDをそれ以上動かさないことが、データ復旧の成功率を大きく左右します。あわせて、日頃から別の外付けHDDやクラウドなど複数の媒体にバックアップを取り、HDDは5年前後を目安に計画的な交換を行うことをおすすめします。

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まとめ：長田区苅藻エリアで2ベイNASからCADデータを無事復旧

本事例は、神戸市長田区苅藻エリアの製造業様で、2ベイNAS QNAP TS-231P（2TB×2・RAID1）が突然使用できなくなり、CADデータを含む共有フォルダにアクセスできなくなったケースでした。診断の結果、2台のHDDとも不良セクタが点在する物理障害であることが分かりましたが、2本ともクローンを作成し、より新しいデータを保持しているクローンを単体ボリュームとして解析することで、CADデータや関連書類を含む約1.6TBのデータを3日で復旧することができました。神戸市長田区や周辺エリアで、同様にNASが突然見えなくなった、メンテナンスをしていないまま使い続けているといった状況がありましたら、再初期化や再構築を行う前に、一度ご相談いただくことをおすすめします。