データ復旧事例

神戸市長田区法人事例｜不良セクタ発生でアクセス不能のI-O DATA LAN DISK XRから重要データ復旧に成功

投稿日：2025.09.11 更新日：2025.09.11

メーカー：I-O DATA(アイオー・データ)製
型番：LAN DISK XR HDL4-X16　容量：4TB×4台
症状：アクセスできない
障害：複合障害
期間：6日

お客様からのお問合せ内容：急にフォルダを開けなくなった

神戸市長田区にある製造業の法人様より「NASに保存していた生産管理データが急に開けなくなり、業務が止まってしまった」との緊急連絡が入りました。使用されていたのはI-O DATA製 LAN DISK XR（HDL4-X16、4TB×4台、RAID5構成）で、生産ラインの稼働計画や在庫情報、取引先への納期管理データがすべてこのNASに保存されていました。お客様は「特に生産管理用のデータだけでも今日中に取り出せないと業務が完全にストップしてしまう」と強い不安を抱えており、重要データの即時復旧を最優先として、機器を神戸三宮ラボに持ち込みされました。

診断結果：経年劣化と管理者不在でメンテナンス不足が原因

お預かりしたLAN DISK XRをデータ復旧専用機器で詳細に診断したところ、4台中1台のHDDで不良セクタが多数発生していることが確認されました。このHDDは経年劣化の影響が大きく、磁気ヘッドの読取能力が低下している可能性や、プラッタ表面の磁力が弱まりデータの安定読取が困難な状態であることが想定されました。不良セクタが原因でRAID5全体の整合性が失われており、業務データへのアクセスが不可能となっていることがわかりました。お客様にはデータ復旧には時間と慎重な作業が必要であることを事前に説明し、ご了承をいただいた上で復旧作業を開始しました。

復旧作業実施：専用機器で99.99%以上の高精度なクローンディスクを作成

まず不良セクタが発生しているHDDに対し、データ復旧専用機器を用いてセクタ単位で慎重に読み取りを実施しました。経年劣化した磁気ヘッドやプラッタからデータを回収する際は、通常よりも1つ1つのセクタに対して時間をかけ、必要に応じて負荷を制御しながらデータを取得します。読み取りが難しい領域はリトライ回数やヘッド動作を細かく調整し、可能な限りデータを確保できるよう最適な条件を設定しました。すべてのHDDのイメージが完成した後、RAID5のパラメータを解析し、仮想RAIDを構築してデータ領域への直接アクセスを可能にしました。

復旧作業の結果：最重要データの復旧に成功

復旧したデータは業務で最も重要とされる生産管理フォルダを優先して抽出し、お客様にリモート接続を通じてその場でデータを開いて確認していただきました。お客様は必要なデータが問題なく開けることを確認され、大きな安心を得られた様子でした。最終的に復旧したすべてのデータは通常の外付けHDDに保存し、後日郵送にて納品いたしました。お客様からは「生産ラインを止めずに済んで本当に助かった」と感謝の言葉をいただきました。

技術者より

HDDは経年劣化により磁気ヘッドやプラッタの性能が徐々に低下します。特に長期間稼働しているNASでは、不良セクタの発生がシステム障害の引き金となることが多いため、定期的なHDD健康診断と予防的な交換、さらにバックアップの自動化が業務停止リスクを減らす有効な手段となります。

まとめ

神戸市長田区の製造業法人様が使用していたI-O DATA LAN DISK XR（HDL4-X16、4TB×4台、RAID5構成）は、不良セクタの発生により業務データへのアクセスが完全に失われた状態でした。経年劣化による磁気ヘッドやプラッタの弱体化を考慮し、セクタ単位で慎重にデータを回収しながら仮想RAIDを再構築することで、重要な生産管理データを含む全データの復旧に成功しました。