データ復旧事例

広島市データ復旧事例|Synology DS1618+のディスク交換後のRAID崩壊から入稿データの復旧に成功

投稿日:2025.11.19 更新日:2025.11.19


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メーカー:Synology(シノロジー)製
型番:DiskStation DS1618+ 容量:2TB×6
お客様の状況:HDDを交換後アクセスできない
障害:複合障害

 

お客様より|リビルド中にエラーが出てボリュームが消えた

広島市中区の広告・デザイン事務所様から、「SynologyのNASが突然使えなくなり、クライアントの入稿データにアクセスできない」とのお問い合わせをいただきました。機種は Synology DiskStation DS1618+ に2TBのHDDを6台搭載したRAID5構成で、クライアント別のプロジェクトデータや入稿用データ、過去案件のアーカイブなど約8TBのデータが保存されていました。数週間前からDisk 5のエラー警告が表示されており、社内でHDD交換を実施してリビルドを開始したところ、途中で別のDisk 2でもエラーが発生し、その後起動不可。共有フォルダがすべて消えた状態となり、社内での復旧を断念して当社へメールと電話でご相談いただきました。締切の迫った案件も複数抱えておられ、「1週間以内に何とか主要データだけでも復旧したい」とのご要望でした。

 

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診断結果|2本のHDDに不良セクタがありRAID5構成情報も破損した複合障害

宅配便でお送りいただいたNASから6台のHDDを取り出し、データ復旧専用機器に接続して1本ずつ診断を行いました。その結果、Disk 5には広範囲に不良セクタが発生しており、読み取りに時間がかかる領域が多数確認されました。またDisk 2にも軽度ながら読み取り不良が発生しており、リビルド作業時の負荷で状態が悪化した可能性が考えられました。これらの物理障害の為か、Synology本体はアレイを正常に認識できない状態でした。この段階ではファイルシステム全体の整合性までは確定できないものの、複数HDDの物理障害とRAID構成情報の破損が重なった複合障害と診断しお伝えをしました。お客様よりお急ぎである旨を伺っていたので、特急プランでの作業をご提案し、まず問題のある2本の内、リビルト中に障害が発生したDisk2のクローン作成を優先する方針をご説明してご承諾をいただきました。

 

 

 

DS1618+の復旧作業にチャレンジです

DS1618+のDisk2をデータ復旧専用機器に接続し超精密なクローンディスクを作成します。HDD内部の磁気ヘッドを専用機器で直接コントロールし、データの回収を行います。磁気ヘッドが経年劣化の為か不安定な場合は通常より読む時間を変更する等、パラメーターを調整し漏れなくデータ回収を行います。最終的に99.99%以上のデータを回収する事に成功し超高精度のクローンディスクの作成に成功しました。Disk2・5以外の既存HDDとクローンディスクで専用機器を使いRAID解析を行いました。解析の結果無事にRAIDの再構築に成功。RAID内のデータ領域にアクセスする事が出来ました。最重要データの保存されているフォルダを確認し先行してデータの確保を実施。お客様に連絡し、確保したデータをリモートで確認して頂きました。

 

復旧作業の結果~到着翌日に先行データ納品を実施~

データをリモートで確認して頂いた所、問題ないと言う事で非常に喜んで頂きました。最重要で先行納品を希望されているデータは80GBほどだった為、クラウド経由で納品を実施。お客様より、「発送日から2日で復旧してもらえるなんて思ってもみなかった。本当に助かりました」と喜びのお声を頂きました。残データ8TB弱も引き続き作業を行い、さらに2日後データの確保を納品王の外付けHDDに完了。すぐに発送し案件終了となりました。

 

担当技術者~NASのメンテナンス中にもトラブルは発生します

今回のケースではHDDのエラーランプからディスクの交換を行っている最中に障害が発生したケースになります。このケースは当店へのご相談の中でも多くあり、特に交換後のリビルド中にNASへアクセスする事で既存ディスクへの負荷が高くなり今回の様な障害を招く事もあります。ディスクの交換作業が必要であればNASへのアクセスをやめて、まずはバックアップを実施して下さい。その後ディスク交換の実施と言うように、時間と計画を組んで行う事が重要です。

 

まとめ|障害が重なると復旧は時間との勝負に

本事例は、広島市のデザイン事務所様が利用していた Synology DS1618+(2TB×6/RAID5)が、エラー警告無視とリビルド中の追加障害によりRAID崩壊したケースでした。診断の結果、2本のHDDに不良セクタが発生し、RAID5の構成情報も破損した複合障害と判断。障害ディスクを優先的にクローン化し、仮想RAID5を再構築することで、締切案件フォルダを含む約8TBのほとんどのデータを復旧することができました。大容量RAID構成では、1台の警告表示をきっかけに全体のリスクが急速に高まるため、早期対応と慎重な手順が非常に重要であることを改めて示す事例となりました。

 

FAQ

Q1. RAID5なら1台まで壊れても安心と考えてよいのでしょうか?


A. 理論上は1台の障害に耐えられますが、実際には劣化の進んだHDDが複数同時に影響を受けることもあり、決して無敵ではありません。

 

Q2. リビルド中に別のディスクでエラーが出た場合、どうすべきですか?


A. そのまま作業を続けると状態を悪化させることがあるため、いったん処理を止めて専門業者へ相談することをおすすめします。

 

Q3. 一部の古いアーカイブデータだけが復旧できないことはありますか?


A. はい。障害が集中している領域に保存されていたデータは、一部復旧できない場合がありますが、現行データが優先的に守られるケースも多くあります。

 

Q4. 大容量NASのバックアップはどのように考えればよいですか?


A. 別筐体へのバックアップやクラウド連携など、世代管理を含めた二重三重の仕組みを検討することが重要です。

 

Q5. デザインや印刷業の場合、復旧を依頼するタイミングの目安はありますか?


A. 締切が決まっている業種では、異常を感じた時点で早めに相談いただくことで、締切に間に合う形での先行復旧が実現しやすくなります。

 

 

 

 

 

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嶌津 篤勝(しまづ あつかつ)
幼い頃から様々な機器の分解が大好きで、ハードディスクの分解組み立てスピードと正確さはクイックマン随一の分解スピードマスター。精度も高く、分解成功率はなんと98%以上!頼れる分解技術者です。

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