データ復旧事例

読み込まなくなったHDD(HD-PNT1.0U3-BC)からデータ取り出しをというご相談をいただきました(物理障害　京都市伏見区　WEB関連業)

投稿日：2021.06.10 更新日：2021.06.10

メーカー：バッファロー製 (内蔵：WesternDigital製)
型番：HD-PNT1.0U3-BC(内蔵：WD10JPVT)
症状：認識するがマウントできない
障害：物理障害
費用：49,800円(税込54,780円)～
期間：4日程度

※オプション料金別

お客様より

公開動画を作成するための元データを保存していたポータブルHDDです。先日からMACで認識しなくなり、ディスクユーティリティで確認してみると、本体は読み込んでいるようなのですが、マウントができていませんでした。フリーソフトでデータの取り出しを試してみましたが、スキャンが全く開始されません。編集済の動画についてはクラウドで保存していたので、大きな影響はないのですが、編集作業などを考えると、時間的な余裕が1週間分ほどしかありません。撮り直しがきかない動画なのでなんとかHDDからのデータ取り出しをお願いします。

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診断の結果

専用機器にてポータブルHDD(HD-PNT1.0U3-BC)の初期診断を行いました。専用機器上では起動から認識までは正常に行うことができましたが、データ領域へのアクセスを行った際にデータの読み出さ異が行えない領域が見つかったため、物理障害での対応を行うことにしました。

復旧作業にチャレンジです

専用機器にてクローン作業を開始したのですが、作業開始時点から不良セクタと呼ばれるデータの読み書きができなくなってしまっている領域がランダムに発生していることを確認しましたが、ほどなくして不良セクタの発生はなくなりました。負荷調整を行いながら、不良セクタとして判別されている領域の強制読み出しを行い、99.99%の領域取得に成功しました。作成したクローンHDDを使用してデータ領域へのアクセスを行ってみましたが、HDDのフォーマット情報やフォルダの構成などが読み出せていなかったため、解析作業を実施しました。解析作業の結果、お客様から伺っていたフォルダの構成が確認できたため、データの一時取得を行いました。取得できた動画データを20ファイルほどランダムにオープン確認を行いましたが、すべて正常に再生できたため、復旧成功と判断しました。

復旧作業の結果

作業完了の報告と作業の結果をお客様へ連絡し、納品前の最終のデータ確認をお願いしました。いくつかの動画データを再生確認いただき、正常にデータが復旧できていることを確認板田Kたうえで、復旧データとしてお渡ししました。

担当技術者より

クローン作業時にランダムに不良セクタが発生していたことから、傷が入ってしまっているというよりもヘッド自体の経年劣化の可能性が高いと判断しています。実際に負荷調整を行って不良セクタと判別されたエリアの再読み込みを行っていくと、かなりの確率で正常に情報を読み出すことに成功しました。ヘッドの先端あたりにデータの読み込みを行うチップがあり、長期間使用していると読み込みが不安定になることもあります。おおよそですがHDDの寿命は5年といわれています。壊れるまで使い続けてしまうと、クイックマンのようなデータ復旧専門業者でもデータ取り出しができないというほど重症化してしまっていることもあります。ご注意ください。