データ復旧事例

ワークステーションで使用しているハードディスクから異音がしています(DT01ACA200)というご相談をいただきました(重度物理障害　滋賀県栗東市　建設業)

投稿日：2021.06.08 更新日：2021.06.08

メーカー：DELL製 (内蔵：東芝製)
型番：不明(内蔵：DT01ACA200)
症状：起動後に異音が聞こえる
障害：重度物理障害
費用：118,000円(税込129,800円)～
期間：4日程度

※オプション料金別

お客様より

製図用のワークステーションで使用しているハードディスクです。SSDと併用してSSDをシステム用に、ハードディスクをデータ保存専用に設定していました。ここ数日ワークステーションの起動後に動きが不安定に感じ、たまにカチッという音が聞こえていたのですが、使用できていたのであまり気に留めていませんでした。そして昨日、とうとうワークステーションで作業しだすとフリーズしだしてしまい、仕事ができなくなりました。簡単にチェックしてハードディスクに原因があることがわかり、取り外してからは正常に使用できていますが、ハードdh市宇久に保存しているCADデータが必要です。今週中に欲しい図面があるので、そちらを最優先で復旧してもらえるとありがたいです。

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診断の結果

専用機器にてハードディスク(DT01ACA200)の初期診断を行いました。専用機器上ではお客様から伺っていた症状が確認できず、論理障害での対応を行おうと思っていたのですが、データ領域へのアクセス確認の際に、4本あるデータの読み書きを行うヘッドの1本でデータの読み込み障害が発生しました。また、カチカチ音を出しながら領域の読み込みエラーが発生したため、お客様から伺っていた内容と一致していることを確認しました。ヘッド交換が必要と判断し、重度物理障害で対応を行うことにしました。

復旧作業にチャレンジです

ハードディスク内で使用されているヘッドのうち3本は正常稼働を確認していたため、まずはヘッド交換を行わずに専用機器にてクローン作業を実施しました。その後、ヘッド交換を行い、取得不可能であった領域の情報の取得を行いました。作業の結果、99.99%以上の領域の取得に成功し、クローンディスクのデータ領域を確認したところ、フォルダやファイルの構成が確認できたため、データの一時取得を行いました。最優先で必要と伺っているデータも確認ができましたが、CADデータはデータのオープン確認ができないため、同名のPDFファイルを開けるか確認し、正常に開くことが確認できました。

復旧作業の結果

復旧可能なデータのリストを作成し、作業完了の報告を兼ねてお客様へ連絡しました。リスト上にあるデータはもともと使っていた状態とほぼ完全に変わっていないとのことで、復旧成功と判断しました。取得データを納品用媒体にコピーし、復旧データとしてお渡ししました。

担当技術者より

ハードディスク内に制御情報の一部が書き込まれているのですが、制御情報が正常に読み込めると、今回のような重度物理障害であっても正常に認識してしまうことがあります。保存しているファイルを開こうとするとヘッドがデータの読み込みを行えないためにカチカチ音などの異音が発生してしまうのですが、認識状態にあるために異音が発生しても重度障害を引き起こしているというイメージがついてこないのが現実です。基本的にハードディスクは複数のディスクにデータを分散させて書き込むため、ディスク領域の80%以上の情報を取得できていても復旧できたデータは必要データの10%あるかないかくらいのデータ量しか復旧できていなかったということもあります。クイックマンをはじめとするデータ復旧の専門業者はデータ復旧を行うための専用機器を使用して作業に当たるため、状態によって変わることもありますが、高い復旧率を実現しています。