データ復旧事例

神戸市須磨区法人事例｜RAID崩壊と不良セクタ発生でアクセスできないSynology DS916+から重要データを復旧

投稿日：2025.09.16 更新日：2025.09.16

メーカー：Synology（シノロジー）製
型番：DiskStation DS916+　容量：4TB×4
症状：アクセスできない
障害：複合障害
期間：5週間

お客様からのお問合せ内容：突然アクセス出来なくなった

神戸市須磨区で物流業を営む法人様より「社内で使用しているNASに急にアクセスできなくなり、業務データが取り出せない」とのご相談をいただきました。使用されていた機種はSynology製 DiskStation DS916+（4TB×4台、RAID5構成）で、在庫管理データや取引先情報、業務報告書など、会社の運営に必要な情報がすべてこのNASに保存されていました。お客様は「業務が完全に止まる前にできるだけ早くデータを復旧してほしい」と希望され、NAS本体を神戸三宮ラボに持ち込まれました。

診断結果：不良セクタが拡大しRAID構成が維持できないRAID崩壊と判断

神戸三宮ラボでデータ復旧専用機器を用いて4台のHDDを診断したところ、1台のHDDで不良セクタが多数発生し、さらにRAID構成情報が破損していることが判明しました。RAID崩壊は不良セクタや再構築エラーが原因で発生することが多く、今回も複数の障害が同時発生した複合障害であることが確認されました。お客様には、HDDのクローン作成と仮想RAID再構築を行うことでデータ復旧が可能であることを説明し、特急プランでのご依頼をいただきました。

復旧作業実施：精密なクローンディスク作成に成功

まず不良セクタが発生しているHDDに対してセクタ単位で慎重にクローンディスクを作成しました。読み取り困難な領域ではリトライ回数や負荷制御を細かく調整し、HDDへの負担を最小限に抑えながら、特急対応ではありながらも時間をかけてデータを確保しました。1台のクローンディスクと残りの既存HDD3台でRAID5のストライプサイズやディスク順序を解析し、仮想RAIDを再構築しました。再構築後にデータ領域へアクセスし、業務に必要なフォルダを優先して抽出しました。

復旧作業の結果：最重要データの復旧に成功業務を停止せず継続

復旧したデータは外付けHDDに保存し、お客様に再度ご来店頂きデータ確認を行っていただきました。特に在庫管理データや業務報告書を中心に確認され、必要なデータがすべて問題なく開けることを確認いただきました。確認完了後、外付けHDDに保存した復旧データをそのままお渡しし納品しました。お客様からは「業務が止まらずに済んで助かった」と感謝の言葉をいただきました。

技術者より

RAID構成のNASでは、1台のHDD障害が発端となり、再構築エラーや不良セクタの進行でRAID崩壊に至るケースが少なくありません。障害発生時に自己判断で再構築やHDD交換を行うと、状況が悪化しデータ復旧が困難になる可能性があります。障害が発生したら速やかに通電を停止し、専門業者へ相談することが最も安全です。

まとめ

神戸市須磨区の物流業法人様が使用していたSynology DiskStation DS916+（4TB×4台、RAID5構成）は、不良セクタ発生とRAID崩壊が同時に発生した複合障害によりアクセス不能となっていました。神戸三宮ラボにてHDDのクローン作成と仮想RAID再構築を実施し、重要な在庫管理データや業務報告書を含むすべてのデータの復旧に成功しました。