データ復旧事例

神戸市灘区の法人様で複合障害によりアクセスできなくなったQNAP TS-453Aのデータ復旧事例

投稿日：2025.12.02 更新日：2025.12.02

メーカー：QNAP製
型番：TS-453A
容量：2TB HDD×4台
症状：共有フォルダにアクセスできずNASが応答しない
障害：複合障害
期間：先行納品3日／全データ納品6日

お問合せ内容：「NASの共有フォルダに急に入れない」とご相談

神戸市灘区で住宅の設計・リフォーム事業を営む法人様より、「事務所のNASにある案件フォルダに突然アクセスできなくなった」とデータ復旧のご相談をいただきました。機種はQNAP TS-453Aで、2TB HDD×4台のRAID5構成として社内共有サーバー的に運用されており、図面データや現場写真、見積書・契約書などの業務データ一式が保存されていました。数週間前から「ディスクの異常を検知しました」というメッセージが出ていたものの、そのまま運用を続けていたところ、ある朝からWindowsのエクスプローラーで共有フォルダ自体が見えず、管理画面にもエラー表示が出る状態になったとのことです。進行中の案件も多く、「できるだけ早く図面と契約関係のファイルだけでも取り出したい」とのことで、NAS本体をデータ復旧クイックマン神戸三宮ラボへお持ち込みいただきました。

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診断結果：1台のHDD物理障害とRAID情報の不整合が重なった複合障害と判断

お預かりしたQNAP TS-453Aの電源を切り、4本の2TB HDDを慎重に取り外してから、それぞれをデータ復旧専用機器に接続して状態を確認しました。SMART情報やセクタ単位の読み取り状況を確認したところ、1台で不良セクタと読み取り遅延が多く発生しており、物理障害と判断できる状態でした。一方、残り3台は明確な物理的損傷は見られなかったものの、RAID5の構成情報がディスク間でそろっておらず、同じ世代のアレイとしては認識できない状態でした。診断段階ではどのタイミングで障害が進行したかまでは断定せず、「HDD1台の物理障害に加え、RAID情報の不整合が重なった複合障害」と整理し、お客様には復旧の見込みと作業の優先順位（図面フォルダを先行抽出）をご説明しました。

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復旧作業実施：物理障害ディスクのクローン作成とRAID5構成情報の特定を慎重に実施

まずは、不良セクタが多く発生していたHDDについて、データ復旧専用機器の負荷制御機能を用いながらセクタ単位でクローンディスクの作成を行いました。読み取りが難しい領域では、リトライ回数やタイムアウト値を細かく調整し、ヘッドに余計な負荷をかけないよう慎重にデータを取得していきます。残り3台のHDDについても、障害HDDと同じ時期に製造されている事から安全の為状態を確認しつつクローンディスクを作成しました。4本分のクローンがそろった段階で、クローンディスク側のみを使用してRAID5の構成情報を特定し、もっとも整合性の高い組み合わせで仮想RAIDボリュームを構築しました。お客様から「まず最優先で欲しい」と指定いただいた直近案件の図面フォルダや契約書フォルダを中心にデータ抽出を進め、先行納品用の外付けHDDへコピーしていきました。。

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復旧作業の結果：図面・契約書を含む約4.5TBのデータを6日で復旧

復旧作業の結果、RAID5ボリューム上の共有フォルダから、建築図面データや現場写真、見積書・請求書、契約書類のPDFファイルなど、業務に直結するデータを合計約4.5TB分復旧することができました。特にお急ぎだった直近1年分の案件フォルダについては、優先的に抽出を行い、お預かりから3日目に先行納品として外付けHDDにデータを確保し、お客様の事務所にお届けしています。その後、残りの年度分の案件データや過去の完成物件のアーカイブフォルダについても順次整理とコピーを進め、お預かりから6日目に全体の復旧作業が完了しました。最終確認はお客様に神戸三宮ラボへお越しいただき、復旧用の外付けHDDを実際のWindows環境に接続して図面ファイルや契約書が問題なく開けることを一緒に確認し、「過去案件も含めてほぼすべて戻ってきて安心した」とのお言葉をいただきました。

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技術者より：RAID5でも「ディスク異常」の表示を見たら通電を控え早めのご相談を

今回の神戸市灘区の事例のように、RAID5構成のNASでも、管理画面上に「ディスクの異常」や「デグレード」などの表示が出た状態で運用を続けていると、1台の物理障害に加えてRAID情報の不整合が重なり、結果として複合障害に発展してしまうことがあります。RAID5は1台の故障には強い構成ですが、あくまで「可用性を高める仕組み」であり、「バックアップの代わり」にはなりません。異常表示が出た際には、まずはバックアップの最新状況を確認し、それ以上の通電や再構築をむやみに行わないことが大切です。特に業務データが集中しているNASでは、「おかしいな」と感じた時点で早めにご相談いただくことで、守れるデータが大きく変わってきます。

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まとめ：神戸市灘区で複合障害に陥ったQNAP TS-453A（RAID5）のNASデータ復旧

本事例は、神戸市灘区の建築関連法人様で、社内共有用NASとして運用されていたQNAP TS-453A（RAID5・2TB×4）が、HDD1台の物理障害とRAID情報の不整合による複合障害により、突然アクセスできなくなったケースのデータ復旧でした。データ復旧専用機器を用いて物理障害ディスクのクローンを作成し、4本分のクローンディスクからRAID5の構成情報を特定することで、図面・現場写真・契約書など約4.5TBのデータを復旧することができました。重要案件のフォルダはお預かりから3日目に先行納品し、全体としては6日目に外付けHDDへデータを確保し納品しています。神戸市灘区や周辺エリアで、QNAP TS-453Aを含むRAID5構成のNASが「複合障害でアクセスできない」「共有フォルダが見えない」といった症状に陥った場合も、通電や再構築を繰り返す前に一度ご相談いただくことで、データ復旧の可能性を高めることができます。

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FAQ

Q1. 神戸市灘区でQNAP TS-453Aの共有フォルダに突然アクセスできなくなった場合、まず何をすればよいですか？

A. まずはNAS本体の再起動やRAID再構築を繰り返さず、電源を切ってそれ以上状態を悪化させないことが重要です。管理画面にエラーが出ている場合でも、むやみに「修復」や「初期化」を実行すると、復旧可能だったデータが上書きされてしまうことがあります。機種名・HDD本数・RAID構成などの情報を控えたうえで、できるだけ早くデータ復旧の専門業者へご相談ください。

Q2. RAID5のNASでも、今回のような複合障害はよく起こるのでしょうか？

A. 実際の現場では珍しくありません。1台のHDDに不良セクタが出ている状態で運用を続けていると、別のHDDにも問題が出始めたり、RAID情報が不整合を起こしたりして、結果として「物理障害＋RAID崩壊」という複合障害に発展するケースがあります。RAID5はあくまで「1台までの故障に耐える仕組み」であり、バックアップの代替にはなりませんので、異常表示が出た時点での対応が非常に重要です。

Q3. 先行納品3日・全体6日という納期は、どのように決まるのでしょうか？

A. 納期は、HDDの状態・総容量・必要とされるデータ量・ご希望の優先度によって変わります。今回の神戸市灘区のケースでは、RAID5の総容量が約6TBで、物理障害ディスクのクローン作成に時間を要することがあらかじめ想定されたため、最重要の図面・契約書フォルダを先行納品として3日目までにお渡しし、その後に残りの案件データを整理して6日目に全体納品というスケジュールをご提案しました。

Q4. 複合障害と診断された場合でも、どの程度の確率でデータ復旧は可能でしょうか？

A. 複合障害と言っても、その内容は「物理障害＋RAID崩壊」「誤ったHDD交換＋再構築失敗」などさまざまです。今回のように、物理障害がHDD1台にとどまり、残り3台の状態が比較的良好であれば、専用機器によるクローン作成とRAID解析により高い確率でデータ復旧できるケースが多くあります。一方で、複数台に重度の物理障害がある場合などは難易度が一気に上がるため、早い段階で通電を止めていただくことが成功率を左右します。

Q5. 復旧データを保存した外付けHDDは、今後バックアップ用としても使ってよいのでしょうか？

A. 復旧したばかりの段階では、まずは「復旧データの保管専用」として大切に保管していただくことをおすすめしています。そのうえで、別途もう1台バックアップ用の外付けHDDや新しいNASを用意し、QNAP TS-453Aや新環境から定期的にコピーを取ることで、万が一のトラブル時にもデータを失いにくい体制を整えられます。バックアップの設計やNASの入れ替えについても、業種やデータ量に合わせたご提案が可能ですので、あわせてご相談ください。