データ復旧事例
神戸元町エリアデータ復旧事例|QNAP TVS-882Tの複合障害でアクセス不能になったNASからデータ復旧に成功
メーカー:QNAP製
型番:TVS-882T
容量:4TB×6台
症状:共有フォルダにアクセスできない
障害:複合障害(物理障害+RAID崩壊+論理障害)
期間:先行3日/全データ8日
お問合せ内容:共有フォルダにアクセスできず制作データが見えない
神戸市中央区・神戸元町エリアのデザイン・映像制作会社様から、「朝からNASの共有フォルダにアクセスできなくなった」とお電話をいただきました。社内ではQNAP TVS-882T(4TB×6台/RAID5構成)をメインストレージとして使用されており、制作中の映像プロジェクト、過去案件のデザインデータ、クライアントから支給された素材データなど、ほぼすべての業務データをこのNASに保存されていました。前日、深夜まで4K映像の編集と書き出し作業を行っていたところ、途中でフリーズしたため強制再起動を実施。その後、翌朝にMacからアクセスしようとするとFinder上にNASが表示されず、Thunderbolt接続でも「ボリュームをマウントできません」というメッセージが出てしまったとのことでした。数日後に大きなプレゼンと納品が控えており、「とにかく制作中案件のデータだけでも早く取り出したいので、すぐに診てほしい」とのことで、同日中に神戸三宮ラボへTVS-882T本体をお持ち込みいただきました。
診断結果:複数ディスク障害とRAID崩壊が発生した複合障害と判断
まずNAS本体から6台のHDDを取り出し、それぞれをデータ復旧専用機器に接続して個別診断を行いました。その結果、6台のうち2台で物理的な読み取り不良が確認され、そのうち1台は不良セクタが広範囲に渡って発生している状態、もう1台はアクセス時に異音が出るほど読み取りが不安定な状態でした。残りの4台は大きな物理障害は見られませんでしたが、RAIDの構成情報はすでに破損しており、NAS本体側ではRAID5ボリュームが正常に認識できない状況でした。診断の段階では、どのHDDが先行して障害を起こしたかまでは特定せず、複数のドライブで障害が進行した結果としてRAIDが崩壊し、ファイルシステムにも損傷が及んでいる可能性が高いとご説明しました。物理障害とRAID崩壊、さらにファイルシステムの損傷が重なった「複合障害」と判断し、復旧にはクローン作成と仮想RAID再構築を組み合わせた慎重な作業が必要であることをお伝えしました。
復旧作業実施:クローン作成と仮想RAID再構築を段階的に実施
お急ぎ度合いとして「制作中の案件を数日以内に取り出したい」とのご要望があったため、まずは物理障害ディスクの保全とRAID環境の再現を優先する方針で作業を進めました。物理障害が確認された2台のHDDについては、それぞれをデータ復旧専用機器に接続し、セクタ単位で読み取り負荷を調整しながら精密なクローンディスクの作成を行いました。異音を伴うHDDについてはリスクを抑えるために読み取り条件を慎重に設定し、読み出し可能な領域から優先的にクローン化を進めました。クローンが完成した段階で、正常と判断できた4台のHDDとクローンHDDの組み合わせを複数パターン検証し、RAID5の構成情報を特定したうえで仮想RAIDを再構築しました。その後、再構築されたボリュームに対してファイルシステムの状態を確認すると、一部のフォルダ階層に損傷は見られたものの、制作中プロジェクトの保存領域は一覧取得が可能な状態まで回復しました。ここから、まずは最重要フォルダを中心にデータ抽出を開始し、後工程で全データの抽出と整合性確認を行う二段構えの体制で復旧作業を継続しました。
復旧作業の結果:制作中プロジェクトを3日で先行復旧、全データは8日で復旧完了
お預かりから3日目には、クライアントへの納品期限が迫っていた映像案件と、その関連素材フォルダを優先的に抽出することができました。容量としては約300GBほどでしたが、PremiereやAfter Effectsのプロジェクトファイル、レンダリング途中だったシーケンスデータ、支給されたロゴやBGM素材など、制作を再開するために必要な一式が揃っていたため、先行納品として外付けHDDに保存し、神戸三宮ラボでお客様に実際に開いて確認していただきました。その場でプロジェクトファイルが問題なく開けることを確認し、「これで納期に間に合わせられそうです」と大変安心されたご様子でした。その後も残りのデータ抽出を継続し、最終的に総容量約10TB分のデータを確保。お預かりから8日後には、過去案件を含む全データを外付けHDDに保存して納品することができました。制作中案件が期限に間に合ったことに加え、過去数年分の作品アーカイブも無事だったことで、「正直あきらめかけていたが、ここまで戻ってきて驚いた」とのお言葉をいただきました。
技術者より:フリーズやエラー表示をきっかけに、強制再起動を繰り返さないことが大切です
今回のケースでは、深夜の高負荷な編集作業中にフリーズし、その後の強制再起動をきっかけに障害が顕在化したと考えられます。RAID5構成のNASであっても、複数台のHDDに障害が進行している状態で再起動や電源の入れ直しを繰り返すと、RAID情報やファイルシステムの損傷を一気に広げてしまうことがあります。特にデザイン・映像制作の現場では、4Kやマルチレイヤーの編集で常に高い負荷がかかっているため、HDDへの負担も大きくなりがちです。フリーズや異音、エラーランプ点灯など、いつもと違う挙動を感じた時点で、一度NASの稼働を止め、バックアップ状況を確認したうえで専門業者にご相談いただくことをおすすめします。また、常時稼働の制作NASについては、別筐体への定期バックアップや、HDDの計画的な入れ替えも大切です。「問題が起きてから考える」ではなく、「問題が起きる前提で備えておく」ことが、データと納期の両方を守る一番の近道と言えます。
まとめ:神戸元町エリアのQNAP TVS-882Tで発生した複合障害から、制作中案件とアーカイブデータを無事復旧
本事例は、神戸市中央区・神戸元町エリアのデザイン・映像制作会社様で、QNAP TVS-882T(4TB×6台/RAID5構成)が複数ディスク障害とRAID崩壊、さらにファイルシステム損傷を伴う複合障害を起こし、共有フォルダにまったくアクセスできなくなったケースです。物理障害ディスクのクローン作成と仮想RAID再構築を組み合わせることで、制作中案件のデータをお預かりから3日で先行復旧し、その後約10TB分のデータを8日で抽出・納品することができました。デザイン・映像制作の現場では、一つのNASに業務のすべてが集約されていることが多く、今回のようなトラブルがそのまま「納期遅延」や「信頼低下」に直結してしまいます。同様の環境でNASをご利用中の方は、エラー表示やフリーズをきっかけに早めにご相談いただくことで、復旧の可能性と業務継続の余地が大きく変わってきます。
FAQ
Q1. RAID5でも複数のHDDが同時に壊れることはありますか?
A. あります。常に高い負荷がかかる環境や、同時期に導入されたHDDを使い続けている場合、寿命が近いディスクが同じタイミングで障害を起こすことがあります。その状態でフリーズや再起動を繰り返すと、RAIDが崩壊するリスクが高まります。
Q2. フリーズしたときに強制再起動してはいけないのですか?
A. 一度だけの再起動で問題なく立ち上がるケースもありますが、何度も繰り返すと障害ディスクの状態を悪化させることがあります。特に異音やエラーランプ点灯を伴う場合は、強制再起動を控え、電源を切ったうえで専門業者に相談されることをおすすめします。
Q3. 他社で「複合障害なので難しい」と言われた場合でも復旧の可能性はありますか?
A. 診断や設備の違いによって復旧可否は変わります。物理障害ディスクのクローン作成や複雑なRAID再構築に対応できる設備とノウハウがあれば、他社で難しいと言われたケースでも復旧できる場合があります。
Q4. 制作中案件だけを優先して取り出してもらうことはできますか?
A. 可能な場合があります。どのフォルダやプロジェクトが優先かを事前にお伺いできれば、復旧工程の中で最重要データを先に抽出し、後から残りのデータを復旧する二段階の対応も行っています。
Q5. QNAPのThunderbolt対応NASで、Macからアクセスできなくなった場合も対応できますか?
A. はい。Thunderbolt接続で認識しない場合でも、NASからHDDを取り出してデータ復旧専用機器に接続し、RAIDの再構築やデータ抽出を行うことができます。インターフェースの違いよりも、HDDの状態とRAID構成の把握が重要になります。
Q6. 今回のようなトラブルを防ぐために、最低限やっておくべきことはありますか?
A. バックアップの二重化(別筐体や外付けHDDへの定期バックアップ)と、HDDの計画的な入れ替えが有効です。また、エラー表示や異音、動作の重さなど「いつもと違うサイン」が出た時点で稼働を止め、早めにご相談いただくことで、被害を最小限に抑えられる可能性が高まります。
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