データ復旧事例

加古川市出張データ復旧事例｜停電後に共有フォルダが消失したSynology DiskStation DS918+からデータ復旧に成功

投稿日：2025.10.30 更新日：2025.10.30

メーカー：Synology（シノロジー）製
型番：DiskStation DS918+　容量：4TB×4
症状：停電後、共有フォルダが消えた
障害：複合障害
期間：1日

お客様からのお問合せ内容：停電後に共有フォルダが消えた緊急事態

加古川市内の金属部品製造業の法人様から「昨夜の停電以降、Synology DS918+（4TB×4／RAID5）で共有フォルダが全く表示されない」とのご連絡をいただきました。生産計画・CAD図面・工程管理ファイルが参照できず、翌朝の出荷に直結するため、当日中に最低限のファイルだけでも使えるようにしたいというご要望でした。機器の持ち出しが難しい事情もあり、出張での現地対応をご希望。すぐに専用機器を持参して工場へ向かいました。

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診断結果：停電時の書き込み中断によりRAID情報とファイルシステムに障害

現地でNASを安全に停止し、HDD4台を取り出してデータ復旧専用機器へ接続。各HDDの認識状態・S.M.A.R.T.・表面的な読み取りを確認したところ、物理的な異常は見られず、4台とも安定してアクセスできる状況でした。一方で、停電時の書き込み中断が影響し、RAID情報に不整合が生じていることを示す兆候を確認。ボリューム側のファイルシステムにも不整合があり、NASがマウントできずフォルダが消えたように見える状態でした。論理障害中心と判断し、現地で先行復旧に着手しました。

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復旧作業実施：RAID5の構成情報を特定後、最重要データを即日抽出

NDA（秘密保持契約）を締結後、4台のHDDを専用機器に同時接続して解析。RAID5の構成情報を特定後、仮想RAIDを再構築し、ファイルシステムの不整合を整えました。お客様からは「図面」と「工程管理」のフォルダを最優先で使いたいとご要望があり、対象領域へアクセスして必要分の抽出を実施。作業の各段階で読み出しの安定性を確認しながら進め、工場内の端末で実ファイルが開けることをその場で確認いただきました。HDDが安定していたため、イメージ取得は行わずに即時の抽出を優先しました。

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復旧作業の結果：先行復旧で当日中に業務再開、全データは翌日に復旧完了

当日夜までに最重要フォルダの復旧に成功。翌朝の段取りに必要なファイルは問題なく利用できる状態になりました。残りのデータは、現地で確立した仮想RAID情報をもとに神戸三宮ラボで再検証し、翌日中に抽出を完了。最終確認のうえ、外付けHDDにデータを確保し納品いたしました。お客様からは「現場で先に必要分を出してもらえたので、生産を止めずに済んだ」とのご評価をいただきました。

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技術者より：停電直後は再起動を繰り返さず、状態保全を優先

稼働中の停電は、RAID情報やファイルシステムの書き込みが中断され、不整合が生じる原因になり得ます。異常表示やフォルダ消失を確認した段階で電源投入の反復は避けることが安全で、状態保全を優先して専門診断を受ける方が結果的に早道になるケースがあります。UPSの導入や安全停止の見直し、定期的なバックアップ運用も、再発防止に効果があります。

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まとめ｜出張での現地復旧により停止時間を最小化

本件は、加古川市の製造業様が運用するSynology DS918+（4TB×4／RAID5）で、停電に起因した論理障害により共有フォルダが見えなくなったケースです。HDDが安定していたため、4台同時解析→RAID5の構成情報を特定→仮想RAID再構築→必要データを即日抽出という流れで当日の業務再開に繋げ、翌日には全データの復旧を完了。持ち出しが難しい環境でも、出張対応で実務影響を最小化できた事例です。