データ復旧事例

神戸市中央区データ復旧事例｜他社復旧不可だったTS-653Aの消えた共有フォルダを緊急対応で復旧に成功

投稿日：2025.10.06 更新日：2025.10.06

メーカー：QNAP(キューナップ)製
型番：TS-653A　容量：3TB×6台
症状：アクセスできない
障害：RAID崩壊
期間：5日

お客様からのお問合せ内容：共有フォルダが消えた

神戸市中央区の製造業法人様より、「社内で使用しているNASの共有フォルダが突然すべて消えてしまい、過去の設計データや見積書にアクセスできなくなった。他社のパソコン修理業者に依頼したが復旧できず、1週間以内に復旧してもらいたい」と緊急のご相談をいただきました。使用されていた機器は QNAP TS-653A（3TB×6台構成） のNASで、RAID5で運用されていました。業務に必要なCAD図面、設計資料、顧客データなどが保存されており、復旧の遅れは納期や取引先対応に直接影響する状況でした。

診断結果：RAID情報破損による論理的なRAID崩壊の可能性

神戸三宮ラボに持ち込まれたNASから内蔵HDDを取出し、6台のHDDをデータ復旧専用機器に接続して診断を実施しました。各HDDは物理的な異常がなく、全ディスクが正常に認識されましたが、RAID構成情報に破損が見られ、論理的なRAID崩壊が発生している状態でした。RAID5構成のパリティ情報が一部損傷しており、正しい論理構造を再構築しなければファイルシステムを認識できないことが判明。ファイルシステム損傷の可能性を含め、復旧作業の過程でデータの整合性を確認する必要がある旨をお客様にご説明しました。

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復旧作業実施：仮想RAID構築とデータ領域の解析

復旧作業では、まず6台のHDDからRAID構成情報を解析しました。パリティの順序とストライプサイズを解析し、破損部分を補正するために仮想RAID5を構築。その上でファイルシステムを読み込み、データ領域にアクセスを試みました。結果として、主要フォルダ構成が整合しており、ファイルシステムの破損は限定的であることが確認できました。解析中には一部のフォルダ情報が欠落していましたが、データ復旧専用機器の詳細解析モードを用いてセクタ単位でフォルダ構造を再構築。共有フォルダ全体のデータを抽出し、欠損がないか検証を行いました。

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復旧作業の結果：他社で復旧不可だったNASから完全復旧に成功

解析と再構築の結果、共有フォルダ内のすべてのデータを完全に復旧することに成功しました。抽出したデータは約5.4TBに及び、設計データ・生産管理表・図面ファイルなど、業務に関わる全ファイルが正常に開ける状態で確認されました。お客様にはリモート環境での確認後、外付けHDDにて納品。お客様からは「他社で無理だと言われて諦めかけていたが、まさか1週間以内で全データが戻ってくるとは思わなかった」と喜びの声をいただきました。業務の再開も予定どおり行われ、最小限の影響で復旧を完了しました。

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技術者より

QNAPなどのNASでは、ファームウェア更新や誤った再構築操作によりRAID情報が壊れるケースがよく見られます。特にRAID5では1台でも異常が発生した状態でリビルドを実行すると、データの整合性が失われる可能性があります。RAIDエラーが出た場合は再構築を行わず、電源を切って専門業者に依頼することが重要です。また、定期的なスナップショット保存や外部バックアップの実施により、障害時のリスクを大幅に軽減できます。

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まとめ

今回の事例は、神戸市中央区の製造業法人で使用されていた QNAP TS-653A（3TB×6／RAID5） がRAID崩壊を起こし、他社で復旧不可と判断されたケースです。診断の結果、物理障害はなくRAID情報の破損による論理的崩壊と判明。仮想RAID再構築とファイルシステム修復を行い、共有フォルダの全データを1週間で完全復旧しました。結果として、お客様の業務は中断することなく再開され、高い信頼性を得ることができました。